一昔前のスマホなどの充電から日々進化を遂げ、新たな急速充電の企画が次々と発表されています。
いまとなってはあらゆる急速充電規格が存在し、ユーザーにとっては非常に分かりにくい状況となっています。
そこで今回は、急速充電規格の中でも比較的知名度の高いQuick Charge (クイックチャージ)について分かり易く解説していきます!
世代別にみるQuick Chargeのスペック
Quick Chargeとは、Qualcomm社が策定した急速充電規格です。
従来からある一般的なのUSB充電(5V/1A)に比べ、短時間で充電ができる特徴があります。
また、Quick Chargeには現時点で合計4世代のバージョンが存在します。
最新のQuick Charge 4に対応した商品はまだあまり発売されていませんが、各世代別のスペックは以下のとおりです。
名称 | 電圧 | 電流 | 最大電力 |
Quick Charge 1.0 | 5V | 2A | 10W |
Quick Charge 2.0 | 5V/9V/12V | 3A/2A/1.67A | 18W |
Quick Charge 3.0 | 3.6V – 20V ※200mV単位で変動 | 2.6A/4.6A | 18W |
Quick Charge 4 | ・3.6V – 20V 200mV刻み(条件1) ・5V / 9V (条件2) ・3V – 11V 20mV刻み(条件3) | ・2.6A、4.6A(条件1) ・3A(条件2) ・1A – 3A 50mA刻み(条件3) | ・18W(条件1) ・27W(条件2、3) |
※条件1 Quick Char動作時
※条件2 USB-PD動作時
※条件3 USB-PD 3.0 PPS動作時
使用する電圧電流は自動で判別するため、ユーザーが面倒な設定をする必要はありません。
例えば、Quick Chargeに対応していないスマホを充電する場合、Quick Chargeがもたらす急速充電は行われず、一般的なUSB充電を行います。
Quick Charge対応充電器を購入する前に
Quick Chargeの規格上、先に述べた表のとおり最大スペックの数値を実現することが可能です。
ただし、充電先のスマホ(Android)やタブレットがQuick Charge最大出力までの入力機能を兼ね備えているとは限りません。
例えば、Quick Charge 3.0の最大出力が18Wなのに対し、充電先のスマホの最大入力値が10Wであった場合、18Wもの出力でスマホを充電することはできないからです。
Quick Chargeは主にスマホやタブレット向けに開発された充電規格であり、その他の電子機器でQuick Chargeを採用しているケースは少ない現状となっています。
そのため、Quick Chargeに対応した消費電力の大きい電子機器への充電用途というのも数が限られてしまうのです。
Quick Charge対応充電器を購入する場合、ご使用されているスマホやタブレットがどの世代のQuick Chargeに対応しているのか確認しましょう!
必要以上のスペックの充電器を購入しても、いざ充電するスマホやタブレットがその機能を満たしていなければ、無駄に高い買い物をすることになってしまうからです。
充電規格の現状
USB Type-Cの充電規格の1つにUSB PDというものが存在します。
いまとなってはUSB PDの方が話題となっている印象を受けます。
USB PDについてはUSB PDとは?をご参照ください。
・USB Power Delivery「USB PD」とは?最新のUSB給電規格を徹底解説
各社、自らが開発した充電規格を普及させようとしているため、今後の勢力図の予想までは何とも言えません。
しかし、異なる充電規格がいままで以上に乱立し、我々ユーザーがそういった状況に追いついていけなくなる状況だけは避けたいところです。
競争の原理は技術の進化に直結しますので、すべてを統一規格にする動きまでは望みませんが、ある程度まとまった内容にて業界団体が指針を示してくれると、ユーザーにとっても理解しやすい環境が生まれてくるのかもしれませんね。
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