USBの次世代規格として登場したUSB Type-C。
従来のUSBと比較し、利便性が飛躍的に向上したため、対応機器の発売も日に日に増加しています。
今回は、そんなUSB Type-Cについて今さら聞けないという方のために、その特徴を分かり易く解説していきます!
USB Type-C
USB Type-Cはシンメトリー構造になっており、上下どちらの向きでも接続が可能です。
簡単にいってしまえば、USB Type-Cとは、この形状および構造を指します。
最新のAndroidスマホではUSB Type-Cポートを搭載した商品が数多く発売されています。
数年前まではMicro USB対応のスマホが主流でしたが、現在は完全に逆転しています。
Micro USBは上下の向きが逆だと接続ができず、特に寝室や暗い部屋で充電する際はかなりストレスを抱えた方も多いのではないでしょうか。
USB Type-Cの登場により、上下の向き関係なく接続ができるようになったため、これだけでもユーザビリティは向上したといえます。
また、2015年3月に発売されたMacBookにUSB Type-Cが搭載され、大変な話題となりました。
スマホだけでなく、ありとあらゆるデバイスがUSB Type-Cポートを搭載していく流れが今後も広まっていくことが予想されています。
オプション機能
ここからはUSB Type-Cのオプション機能に関する説明となります。
USB Type-Cであっても、以下で説明する機能は対応品と未対応品が存在したり、商品ごとにスペックが異なるようなものも存在します。
これらのオプション機能を、USB Type-Cの説明の際に区分けせずに紹介をする記事が多いです。
その結果、オプション機能はUSB Type-Cに当然ながら搭載されている機能の一つとして誤解してしまう人が増えているのです。
これから紹介する機能説明は、あくまでも商品ごとに異なる点にご注意いただきご覧ください。
最大100Wもの給電能力
従来のUSBは給電能力が低く、高い消費電力を必要とするノートPCなどへのデバイスに対し、給電目的で出力を行うことは困難でした。
そんななか、給電規格の1つとして開発されたのがUSB Power Delivery(USB PD)です。
現行のUSB PD(3.0)では、「5V/9V/15V/20V」の4段階の電圧(V)を基本とし、最大5Aの電流を掛け合わせることが可能です。
例えば、20V/5Aの組み合わせで最大100Wもの給電能力を実現することができるのです。
ここで注意してほしいのが、USB PD対応品はすべて100Wもの出力を行えるわけではないという点です。
USB PD対応品といえども、商品によって最大出力値は異なります。
例えば、以下のイラストのように最大60Wの商品もあれば、最大45Wの商品も存在するのです。
USB PDに関する詳しい内容はUSB PDとは?をご参照ください。
・USB Power Delivery「USB PD」とは?最新のUSB給電規格を徹底解説
最大データ転送速度が飛躍的に向上
USB Type-Cのコネクタ構造を活かすことにより、最大データ転送速度を大幅に向上させることが可能となりました。
とはいっても、USB Type-Cの商品すべてがデータ転送速度が速いわけではないのでご注意ください。
あくまでも最大データ転送速度はUSB規格ごとに規定されています。
USB Type-Cの商品がどのUSB規格に則っているのかで、最大データ転送速度が決まるのです。
USB規格には様々な種類が存在します。
USB 2.0という古くからある規格から、2019年に発表を控えている最新規格のUSB4まで様々です。
USB規格別の最大データ転送速度は以下の表をご覧ください。
規格名 | 旧ネーム | 最大データ転送速度 |
USB 2.0 | 480Mbps | |
USB 3.2 Gen 1 | ・USB 3.0 ・USB 3.1 Gen 1 | 5Gbps |
USB 3.2 Gen 2 | ・USB 3.1 Gen 2 | 10Gbps |
USB 3.2 Gen 2×2 | 20Gbps | |
USB4 | 40Gbps ※詳細は正式発表待ち |
最新のUSB規格に則りデータ転送速度が速い商品もあれば、旧規格USB 2.0対応のUSB Type-C商品も存在するのです。
同じUSB Type-Cコネクタを搭載した商品のため、見た目的には同じに見えるかもしれませんが、商品スペックには採用されるUSB規格によって差が生じます。
USB規格に関する詳しい内容はUSB規格とは?をご参照ください。
・USB規格とは?最新のUSB4から歴代USBシリーズを徹底解説
ケーブル1本で電力も映像も送信可能
USB Type-Cの機能の一つとして、「Alternate Mode(オルタネート・モード)」という仕組みが存在します。
Alternate Modeとは、USB Type-Cを用いてUSB規格以外の信号を流すことができる機能です。流せる規格信号は、Thunderbolt やDisplayPort、HDMIなどが策定されています。
Alternate Modeは、商品パッケージや説明文などで「Alt Mode」と省略されることもあります。
いままでは、DVDプレーヤーからテレビへ映像を流すにはHDMIコネクタ、PC本体からモニターに映像を流すにはDisplayPortコネクタなどに対応したケーブルをそれぞれ用意する必要がありました。
さらに、USB PDの給電規格も組み合わされば電源としても利用でき、以下のイラストのようにUSB Type-Cケーブルですべての機能を補完するなんていうことも実現可能なのです。
ゴチャゴチャしていたケーブルもこれでスッキリ!
まとめ
最初は難しい用語が出でくるため敬遠しがちですが、一度理解してしまえばそんなに難しい話ではありません。
今後、様々な機器でUSB Type-Cを搭載した商品が発売されていくことでしょう。
我々の生活をより快適にしてくれる可能性をUSB Type-Cは存分に秘めています。
USB Type-Cと距離を置いていた皆さんが、少しでも本記事で興味を持ってくれたら嬉しいです。
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